2023年3月27日月曜日

「夢みる小学校」を中野市で見た


 


went to Nakano city to watch the movie about Primary schools doing well in pupil-centred learning 

中野市で開催された映画「夢みる小学校」の上映会へ行ってきました。子ども二人が小学生となる今、自分にとって時宜を得た映画でした。


詳細は、映画そのものをぜひ見てほしいと思いますが、「体験学習」を軸に、児童主体の自由な学びを展開する小学校の紹介ドキュメンタリーとでもいいましょうか。南アルプス子どもの村小中学校が中心ですが、長野の公立校で有名な伊那小も登場します。「子どものやりたいこと」を中心において、時間をかけてプロジェクトに取り組むこと、それそのものが生きた学びとなることを目指し、いわゆる国語、算数、社会などの教科学習はほとんど無く、あくまでプロジェクトを展開する中で、必要な知恵として国語や算数の要素を学んでいくという感じでしょうか。プロジェクトでは、子どもたちを中心に、和紙を作ったり、木造の小屋を作ったり、ヤギを飼ったり。授業の内容も子どもと大人で話し合って決めるという。


自分の子どもが普通の公立校に通っているので、どうしても自分側に引き付けて、比較しながら見てしまいます。映画一本見ただけでは、いわゆる教科学習(教科書に沿って、教室で、みんなで一斉に進める一般的な学習)との長短比較など、はっきりと断言できない部分もありますが、プロジェクト中心の学びは、子どもの主体性を引き出し、個々の関心に寄り添った展開につながるのであろうと想像されます。見ていて単純に思うのは、子どもにとってはドキドキワクワクの連続だろうな、ということ。こんな学校に一度通ってみたい(自分が。。。)



同校の校長先生(かとちゃんという方)が「とにかく学校は楽しいだけでいい。がんばらなくていい、というスタンス」「楽しいことを思いっきりできた子は、自分の好きな人生を大股で歩ける」と語っていたのが非常に印象的でした。

このあたりの考え方は、いわゆる冒険遊び場、プレーバークのスタンスにも似ているなと思います。苦行や我慢としての勉強でなく、楽しさ、好奇心、探求心というキーワードに彩られる学び。主体性、能動的な学びを引き出すのは間違いなく後者でしょう。自分は、いわゆる普通の小中学校で学び、高校で多少「自由」を標榜する学校に通いましたが、小中学校の授業で、ドキドキすることなんてあまりなかったような気が。。。楽しさやドキドキは放課後や休日ばかりで、学校はそれを求める場所ではなかったかと。ちなみに大学も似たような感じ(人生に必要なものは、ほぼ山と寮で学びました!断言できます笑) 



「知りたい」「学びたい」そんな内側からの好奇心を引き出してあげることこそ、大人や親が、子供に対してすべきことであるならば、現行の教育システムに、疑義を投げかける余地はたくさんあるでしょう。その意味で、この映画は良い刺激をくれました。子どもたちは引き続き、小川の小・中学校に通いますが、そこでの学びは大切にしつつ(親として、教育の在り方について、学校と対話する必要性もあるでしょう)、放課後や休日に、全く違う視点やアプローチでの学びを仕掛けることができるかもしれない。少なくとも、この映画をみて、自分が小川村で、子どもたちにしたいことのアイデアがたくさん出てきました。現状に何か足りないと思えば、その足りないと思うものを、自分たちで補う努力をすればよい。何でもかんでも、学校に任せ、丸投げするのは違うと思うし、それは全然面白くない。



というわけで、「夢みる小学校」見てよかった。未見であれば、学校の先生や、子を持つ親御さんには、特に見てほしいですね。こういった話、小川村でもどんどんしていきましょう。とりあえず、小学校に夢見ろ、という前に、まずは自分で夢みるオヤジでありたいと思います。描くべきは、ただの夢想ではなく、具体的な未来。未来のために、今ここで、やれることをやる。

来週から娘も小学一年生、楽しい時間が始まりそう!


2023年3月7日火曜日

消防団のポンプ操法大会って、意味があるのかと思っていた自分ですが・・・。

 



worked as a volunteer fire corps today 本日、地元地区内で火災があり、消防団員として消火作業に入りました。幸いにも、人的被害はなく、火災自体も最小限で延焼を食い止められたのが何よりでした。空気が乾燥し、火災が起きやすい季節なので皆様もお気をつけください。


本日、現場が自宅から近かったこともり、自分の運転する消防車(積載車)が本職の消防局員よりも先に現地につきました。(ご近所の方は、消防車よりも先に現地に駆け付け、消火栓を使った消火作業をすでに開始していました)そのため、まっさらな状態から初期消火にあたることになり、その際、非常に大事な気づきがあったので、以下に簡単に共有させてください(ニーズがあるのかは結構微妙ですが・・・)。

それは、消防団活動を語る際、一般に何かと批判の的にされがちな「ポンプ操法(練習)」の重要性です。よく知らない方のために、多少補足すると、全国各地の消防団にはポンプ操法大会という、防火水槽の水をエンジンポンプで汲み出して、連結したホースを使って消火する一連の作業の早さや正確さを競う、競技大会があるのです。出場する際、代表選手に過大な練習負担があることが社会的に問題視され、近年、議論の的となってきました。

実は、自分も去年と一昨年、小川村の消防団代表チームの一員として、北信地区のポンプ操法大会に出ることになっていました。結果的に、コロナ禍ゆえ、2年連続で大会自体が中止となり、大会に出ることはありませんでしたが、多少なりに練習には取り組みました。

実際、ポンプ操法大会の練習に参加してみると、ポンプの使い方や、ホースのつなぎ方など、勉強になる反面、ホースをボーリングみたいに転がしてのばしたり、伝令役がポンプとホースの筒先をわざわざ走って往復したり、「ほんとにこんなことが火事現場で役に立つのかな?」という疑問が、頭の片隅にこびりついたまま払拭されてはいませんでした。

ところが、本日、現場についてすぐに消防車からポンプを下ろして、防火水槽の前にもっていくと、そこから展開されたのはまさに「ポンプ操法」で練習したことそのもの。消防車に積んであるコイル状に巻かれた状態のホースをボーリングみたいに転がして、急いで延ばし(ここでうまく転がせないと、非常にタイムロスになる)、次々と連結し火元まで届いたら、筒先を抱えて、ひたすら走る。その距離60~80mほど。ホースが届いたら、今度はポンプを稼働させて、水を送らないといけないが、筒先からポンプが遠いので、声も届かず、結局、伝令役がまたまた走って「水を出して」と伝えないといけない。なので、また走る走る。行ったり来たり。走りながら思う。「これって、そのまんまポンプ操法でやってることじゃないですか」。

水を出したり、止めたり、そのたび、あっちこっち走って、その間に、各地の消防団&消防局員がかけつけ、ホースもどんどん増えて、あちこちから放水が開始される。

非常に当たり前にことではあるんですが、今日一番心に刺さったのは「ポンプ操法って無茶苦茶大事な練習なんだね!」という実感。練習負担ばかりに、頭がいって、肝心の練習の意味を真には理解していなかったんですね。たぶん。災害や火災などが起こった際、パニックに近い状況で、正しい動作を繰り出すには、何も考えなくても自動的に体が動くくらい、その一連の動作を染みつかせる必要があるのでしょう。過剰と思えるくらいポンプ操法の練習をすることで、いざというとき、最善のパフォーマンスを出すことができる。一瞬の遅れが、致命的な結果につながりうる、消防の現場では、こういった積み重ねが必要なのだと思います。まあ、シンクロナイズドスイミングみたいに、隊員間の動きを必要以上にシンクロさせたり、過剰にタイムを競ったりするのはどうかと思いますが、本質として、ポンプ操法でやっていることは大切なのだと、あらためて知りました。気づけて良かった。

災害は、いつ起きるか分からないからこそ、いつでも対応できるよう、日々鍛錬し、万全の備えをする必要がある。3月のこの時期だからこそ、心に刻みたいです。

もう一点、付け加えると、村で消防団活動をするようになり、「自分の住む地域を自分で守る」という気構えの大切さを日々感じています。行政サービスの弱い中山間地だからこそ、そこに住む人が自分の責任でできることは自ら取り組む。消防活動にそこに住む自分が参加するのは、考えてみればごく当たり前のこと。これもある種の自給自足です。

今日も、消防団員だけでなく、ご近所のみなさんが駆け付けて、率先して消火作業に取り組んでいました。行政やプロに何でも丸投げするのでなく、できることは自分たちでする。住民自治の矜持を見たように思います。

長くなりましたが、今日の火事現場では、自分が村で生きていく上で、大切な気づきがたくさんあったので、備忘録として書かせてもらいました。何はともあれ、みなさん、火事には気を付けて