2022年6月22日水曜日

パチョコ3周年に寄せて

 

【パチョコ3周年に寄せて】



2019年の夏至に開業した「だいず食堂パチョコ」ですが、本日622日をもちまして3周年を迎えることができました。これまでご来店いただいた皆さん、応援してくださった皆さんのおかげです。ありがとうございます。

 

店のSNSにも書きましたが、一般に飲食店の3年生存率は3割ほどと言われています。コロナ禍はじめトラブル続きのこの数年、家族4人が辛うじて店の収益だけで生きていけているのは、本当にありがたいことです。

 

小川村にやって来るとき、「これからは地に足のついた生き方をしたい」と思っていました。そのときイメージしていたのは、農ある暮らし、というか自給自足に近い形で、自分が食べるものを自分で作り、自らの労=得られる糧というシンプルな図式を可視化することでした。かつて会社勤めをしていた頃、自分の具体的な労働量と得られる対価のギャップに困惑することがありました。端的にいえば、大して働いている実感はないのに、思った以上の報酬を得られる、ような感じ。それ自体、普通に考えれば忌避するようなことではありませんが、20代の青かった自分は、大きな違和感を覚えました。自分の労働と対価に直接的なつながりが見いだせず、たとえ手応えの無い仕事をしても、毎月振り込まれる給与。それなりの店でそれなりのご飯を食べ、それなりのワインを飲んでもおつりが来る生活。楽しいは楽しいけど、どこか浮足立った感覚。どこにも根を下ろせていないような不安定感。たぶんそれは、自分の仕事が具体的にどのような付加価値を産み、どのように貨幣換算されているのか、誰の役に立っているのか、本当の意味では知らなかったからだと思います。そもそも、自分の仕事が本当に価値を生んでいるのか、疑問に感じることも少なくありませんでした。

 

一方、現在、自分が日々取り組んでいることは非常にシンプルです。自分で育てた大豆(仕入れている大豆も使っています)を、自分で加工・調理して、顔の見えるお客さんに提供し、食べてもらい、対価として貨幣を受け取る。これだけです。自分と妻二人のマンパワーしかないので、作れるものに限界はあるし、どれだけがんばっても収益は頭打ち。大して稼げないし、一般社会における給与水準からみれば相当低い部類に入ると自信をもって言えます(笑)。ただ、だからこそ、嘘が無い。働いた分しか稼げないし、自分が作ったものしか売ることができない。売り先の顔も見えているので、自分の労働がどのように消費・活用されるのか、見届けることができる。やってみて初めて知ったのですが、これが非常に精神的に心地よい。働ければ稼げるし、働かなければ稼げない。ごく当たり前の論理ですが、会社員時代は、そのことを真の意味では理解できていなかった。「地に足のついた生き方」って様々な解釈があるでしょうが、自分にとっては、生計手段にブラックボックスが入り込まず、人と人の顔が見えるつながり中心で構成されていることが重要な要素であるように思います。

もちろん農業革命、産業革命、IT革命などによって、人間の生産性が加速度的に向上し、高度かつ利便性の高い社会が構築され、その恩恵を自分も存分に受けている事実は否定しようがありません。おかげで、こういったSNSなど便利な仕組みを、自分のような田舎居住者も安価に利用できるわけです。ただ、どのような生き方が自分に合っているのか、と考えたときに、レバレッジの利いていない、一人の人間が一人の人間としてやれる労力を単純に提供するだけの、パチョコみたいな仕事は、自分に合っていたんだなと、思わされることが多いです。我が家の稼ぎは、おやじが作ったニャマや弁当、母ちゃんが作ったスイーツやあんパン。その100円、200円が日々積み重なって、なんとか生活を回している。自分たちの稼ぎは、村のお友達や先輩、観光に来たお客さんが分け与えてくれた、糧の集積。日々の仕事は大変だし、ちょっと疲れることもあるけれど、昔みたいに「この生き方でいいんだろうか?」と悩むことは少なくなりました。目の前の仕事に力を尽くし、お客さんに大豆の魅力を伝えたい。シンプルなやりとりを繰り返し、日々を紡ぐ。それで生計を立てられるなら、それに越したことはない。

 

だから、いつまでたっても大して稼げないし、子どもたちにバラ色の将来は約束できないけれど、こんな生き方もある。これで父ちゃんは結構楽しいし、やりがいはあるんだと、今は胸をはって伝えられるような気がします(母ちゃんにも聞いてみたいものです)。

 

そんなわけで、前段長くなりましたが、これからもパチョコパチョコ、大豆中心の日々は続いていくと思います。余談ですが、ちょっと前に放送されていたNHKの朝ドラ「カムカムエブリバデー」の中で、お母さんが焼いた回転焼き(大判焼き)を粗末に扱った娘に対して、普段温厚なお父さん(オダギリジョー)が「謝れ、お母ちゃんにも、回転焼きにも謝れ」と一喝する場面がありました。世間的にはあまり注目されなかったかもしれないこのシーンですが、自分の胸には深く刺さりました。長く家族の生活を支えてきてくれた回転焼きに対する、ジョーの想い。ものすごく共感しました。いつか、うちの息子や娘が大きくなって、「うちがニャマのお店だなんてみっともない。同級生に恥ずかしくて言えない!」などと言おうものなら、たぶんうちの母ちゃんが「謝れ、お父ちゃんにも、だいずニャマにも謝れ!」と一喝してくれると思います(たぶん)。そのときは、おやじも「ニャマがお前たちを育てたんだ。ニャマには感謝しろ」と小さくなった背中で、静かに語りたいと思います。これからもニャマ焼いて、ナゲット揚げて、一歩一歩地道に生きていきます。引き続き、パチョコをよろしくお願い致します!

 

※本日の新聞折り込みチラシを添付しておきます。カラーB4サイズのチラシ実物は店舗においてあるので、ほしい人は気軽にとりに来てください。

2019年6月30日日曜日

だいず食堂パチョコオープン!



6月22日(土)「だいず食堂パチョコ」が、道の駅おがわにオープンしました。当日はたくさんの仲間たちが集まってくれました。ありがとうございます。



「だいずの新しい消費のカタチを提案する」をコンセプトに、
店では、だいずを使ったスナックやスイーツ、弁当などを販売していきます。


「パチョコ」は、アフリカ・マラウイ国の言葉で「小さい」「少し」といった意味を持ちます。小さな店からのスタートであることに加え、粒粒の豆のイメージにもつながります。また、パチョコパチョコと繰り返すと、「少しずつ」「ゆっくり行こうぜ!」的な意味にもなり、地道に積み重ねて進んでいきたい私たちのスタンスも表しています。


お近くにお越しの方、ぜひお立ち寄りください。月曜定休で、基本的に午前10時~午後5時の間、営業しています。今後ともよろしくお願いいたします。


2019年5月31日金曜日

道の駅おがわ内に、開業準備室をオープンしました。まだ調理器具が全く入っていないので、さながら取調室のようです。今日で5月も終わり。オープン予定日まであと3週間です!
北アルプスを望む自然豊かな小川村で育まれた西山大豆の可能性を極限まで追及する”スローなファストフード店”「だいず食堂パチョコ」を2019年06月22日、夏至の日、道の駅おがわにオープンします。”食のIPS細胞”たる大豆を存分に使った創作フードを開発&紹介していきます。当日は特別企画を用意し、開店を盛り上げます。詳細については、順次情報をアップしていきます。

2019年3月18日月曜日

【だいずの楽校】豆腐作りFinal!





だいずの楽校「豆腐づくり講座final」を3月16日、小川村公民館で開催しました。村内外から14人にご参加いただき、大豆から豆腐を作るまでの手順を体験してもらいました。豆腐の固まり具合にはばらつきもありましたが、参加者のみなさんには出来立て豆腐の味わいを楽しんでいただけたようです。ご参加いただいたみなさん、ありがとうございました。




2016年からこれまで、約3年にわたり、大豆の食育プログラム「だいずの楽校」を開講してきましたが、企画・運営する筆者が3月末で任期終了となるため、協力隊企画としてはこれが最後となります。豆腐作りをはじめ、納豆づくり、大豆オーナー制など各種プログラムにご参加いただいたみなさん、どうもありがとうございました。ワークショップを企画運営する中で、あらためて西山大豆の魅力に気づかされ、その奥深さを知りました。今後も筆者の個人事業として「だいずの楽校」自体は継続し、小川村内で開催していく見込みなので、引き続き、どうかよろしくお願いいたします。







2019年2月27日水曜日

ニャマバーガー用 バンズ作り!



Soy-burger cooking! ニャマバーガー公開間近!「だいずの食堂」メニュー開発の一環で、ハンバーガーのバンズ作りを協力隊仲間のパン職人・ヒロ君にご指導いただきました。ありがとうございます。バンズを粉から作って、特製ニャマパテをはさめば、ニャマバーガーの出来上がり!


最近マイブームのグアカモレ(アボカドサルサ)もいい感じに利いています。今週末3月2日の活動報告会後のランチパーティーでいよいよ初お目見えです。限定20個で無料配布しますので(うまくバンズが焼けたらという条件付きですが…)、試食してみたい方、ふるさとらんどまでお越しください。



2019年2月25日月曜日

地粉でタコス作り!(おやきを食べる会)


食を通じた村民交流「第11回おやきを食べる会」を、24日に小川村公民館で開催しました。今回のテーマは”地粉でタコス!”村の小中学校で英語講師として指導されているアン先生に紹介役をお願いして、みんなで地粉を練ってメキシコ料理のタコスを作りました。元々メキシコ料理のタコスですが、最近はアメリカでもポピュラーなエスニック料理になってるんですね。具材には、タコミート(スパイシーな肉ミンチ)、グアカモレ(アボカドサラダ)、ピコデガヨ(トマトと玉ねぎのライム和え)を準備、地粉で作った皮も絶妙で、美味しくいただきました。ご指導いただいたアン先生ありがとうございました。





 今回は国籍も年齢もバラバラなメンバー20数人が集まって、にぎやかに交流できました。これまで会を呼び掛けてきた筆者が、3月末で協力隊を”卒業”するため、協力隊イベントとしてはこれで終了しますが、今後も村内の交流イベントとして細く長く継続開催していきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。