2016年12月1日木曜日

だいずの楽校3 西山大豆で豆腐作り体験



小川村・「だいずの楽校」第三弾として、11月26日に、西山大豆を使った豆腐作り体験を、小川村公民館で開催しました。

脱穀体験、納豆作り、と来て、いよいよ真打ちの豆腐作りです!
今回は、小川村の大豆加工施設「豆福亭おがわ」で長年豆腐作りに携わってきた伊藤きみよさん(写真右から2人目)に講師をお願いしました。


長野市、小谷村など主に村外から15人が参加してのにぎやかな講座となりました。



今回使用する西山大豆です。村内の自給自足ファームで収穫したばかりのものです。
北アルプスを望む畑で育った大豆(ナカセンナリ)
今回使用する大豆は、正真正銘、小川村内で育ったナカセンナリとスズホマレの二種類です。無農薬、無化学肥料でパチョ子(筆者)が育てました。

「地元で育てた豆で、手作り豆腐を!」。食べ物がどのように育ち、どこからやって来るのか、体験的に感じてほしいという食育的な意義をこめたのが、今回の企画です。



講座の冒頭には、クイズと座学でウォームアップ。「豆腐がどうして固まるのか?」などを科学的に説明し、これから始まる「実験」への心の準備を整えます。ちなみに出題したクイズの一つは「木綿豆腐と絹ごし豆腐の違いは何?」です。分かりますか?



 そして、本編スタート。豆腐作りに使用する大豆は、前日から水に浸しておく必要があります。使用する大豆の3倍の量の水に(今回は各グループ600gの大豆を使ったので、約2ℓ)、15時間ほどつけておきます。すると大豆は、水を吸い、約2.2倍の重さになります。




 その大豆に水を加え、ミキサーにかけて粉々に砕きます。「サラサラになるまで」(伊藤さん) 時間としては1-2分くらいでしょうか。できあがった汁を生呉(なまご)と言います。


続いて、その生呉を鍋にかけます。沸騰したら弱火にして、15分ほど煮ます。
底が焦げ付かないように木べらで丁寧にかき混ぜます。アワが吹きこぼれないように要注意です。(大量に生産する業者などでは、消泡剤を使うこともあるようです)


見た目はメレンゲのようです
 
 
子どもたちもお母さんとアワ取りをがんばります

「生呉」を充分に煮込んだら、次は、「豆乳」と「オカラ」に分離します。煮込んだ生呉を布袋の中にいれて、木べらなどで絞りだします。

呉汁はとても熱いので、火傷しないように要注意です
ボウルに溜まった汁が「豆乳」。布袋の中に残った、いわば絞りカスが「オカラ」です。
豆乳はそのまま飲んでもおいしいのですが、今回は豆腐にします。

そして次は、いよいよ豆腐作りのクライマックス、「にがり」を打つ作業です。豆腐は豆乳ににがり(塩化マグネシウム)を入れて固めたものですが、なぜ固まるのか?詳細は省きますが、マグネシウムイオンとタンパク質による化学反応(結合)によるものです。より詳しい説明は、専門店のサイトなどにあります。ご興味ある方はどうぞ。
http://www.mamesho.co.jp/kagaku.htm

「にがり打ち」は最大にして、最難の豆腐作りの山場です。固まらなければ話にならない、かといって、確実に固めるため、にがりを入れすぎれば苦くなってしまいます。

にがりによる結合作用をもっとも促進するには、豆乳の温度管理が重要です。専門書などには、「70~75℃が適温」とかかれています。伊藤さんは長年の経験から「72℃前後でにがりを打つのが良い」と言います。冷めたら、鍋ごと再加熱します。


温度計で、豆乳の温度をみます。70~75℃になったら、GO!
それでは、準備が整ったら、「にがり打ち」、行ってみましょう~

伊藤さんの指導を受け、にがりを入れます。緊張の瞬間

コツとしては、
①豆乳を泡立てないよう、木べらで鍋の底からゆっくりとかき混ぜる 
②「うず」ができたらニガリを入れる。かき回し続け、ニガリが全体に回るようにする
③すぐにトロミがつくので、ヘラで流れをとめ、ヘラをすっと抜く
とのこと

実際にやってみると、確かに固まってきました!ちょっと感動です。
そのまましばらくおき、豆乳の表面が澄んできたら、お玉ですくって、布を敷いた型枠の中に流し込みます。今回は一部、型枠も自作してみました。牛乳パックなどでも代用できるようです。



豆腐のもとを流し込んだ型枠の上に重しをのせて、15分ほど待ちます。その間、豆腐から水が抜け、徐々に固まっていきます。



そして、いよいよ運命の瞬間。型枠から豆腐を外して、布を広げると、
スルリ!

























見事、四角に固まった豆腐が、まさに生まれ落ちました。
「すごーい!」「できた!」
見守る参加者から、歓声があがり、自然と拍手が起きました。
この瞬間、本当にうれしいんですよね。なんというか、達成感。


作り始めから、早や2時間近くが過ぎていましたが、作業が盛りだくさんで「あっという間だった」と参加者のみなさん。さてさて、豆腐ができたところで、副産物のオカラも活用して副菜を作ります。オカラと片栗粉を練って、カボチャやニンジンを入れた「カラフルおからもち」と、リンゴを使った「おからサラダ」を作りました。豆腐だけでなく、こうやってオカラのおかずも楽しめるのが、大豆料理の醍醐味ですね。

練ったもちを、たっぷりの油で焼き上げます。味付けはお好みで
そして、ついに完成!豆腐に、おかずに、呉汁(味噌汁に呉汁を加えたもの)と、栄養たっぷり、見た目も華やかな「豆腐ランチ」が出来上がりました。



最後は、全員で食卓を囲み、楽しいお昼ご飯。みんなで食べるごはんは最高です。ちなみにご飯もパチョ子が小川村で育てたアキタコマチです。

参加者のみなさんは、以下のような感想を寄せてくれました。
「手順がわかったので、家に帰っても、自分で作ることができそうです」
「豆腐だけでなく、オカラ料理の作り方も知ることができてよかった」
「豆腐の語源など色々な事を知ることができてよかった」
「時間を忘れて、作業を楽しむことができました」

初回ということもあり、運営が円滑にいかない部分もありましたが、ひとまず無事に豆腐作りが成功してホッとしました。ちょっと品数が多くて、時間がかかりすぎた点など反省点はありますが、次回の改善につなげたいところです。何はともあれ、西山大豆の魅力が少しでも参加者のみなさんにお伝えできていれば、幸いです。

これからも西山大豆を活用した体験講座を開いていきたいので、みなさま、よろしくお願いいたします。

パチョ子

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